ある日、森の中(恋する暴君)に 迷い込んだ、哀れなウサギさんの萌叫び・・・
妄想SS~『次の日はもっと悲劇』

バレンタインSSのオマケです。
兄さんモノローグのちょっぴりホラー


 SS嫌いな方ご遠慮ください。
 えちはいっさいありません。


17日ちょっと甘みを追加しました。
あまりに突貫工事だったんで;;^^)


***** 『次の日はもっと悲劇』 *****



オレは人の顔を覚えるのが苦手だ。
顔を見知っても、名前を覚えるのはもっと苦手だ。

たぶんオレの記憶中枢のアドレス帳には
人の顔と名前を書き込めるページが少ないんだろ。

だが別にそれで今まで困ったことはない。

オレは顕微鏡の中の微生物のシンプルな形態と多様性が好きだ。
人の顔は誰も似たり寄ったりで、それでいて煩雑で解りづらい。
だから覚えられないんだ。

だが
この頃困ったことが起きた。

一人の人間の顔がオレの目の前から消えないのだ。

昨日夕刻になってタバコが切れてることに気づいて、うちを出た。
同居人は買い置きしておくのを忘れたと詫びたが
ヤツは大学でもうちでもずっと忙しく立ち働いているんだ。
タバコくらい自分で買うからと、うちを出た。

そしてオレはとんでもないものを見た。

うちを出て階段でアパートのエントランスホールに降りた。
外からアパートに入ってきた住人らしき年配の女性とすれ違いざま
向こうからにこやかに会釈され、オレも挨拶を返そうとして

・・・凍りついた。

その年配の女性の顔が「ヤツ」そっくりだったから・・・。

オレの驚愕など知らぬ様子で、その女性はオレが降りてきた
階段を上っていった。

とんでもないことはそれだけで終わらなかった。

近くのコンビニへ行く道すがら。
ほんの5分ほどの道のりで出くわす人々の顔が・・・
顔だけが、みんな「ヤツ」だった。

学校帰りの制服を着た高校生や中学生。
ランドセルを背負った小学生。
ブリーフケースを抱えたサラリーマン。
キャリーを引くお年寄り。

出会う人々の顔が全部・・・「ヤツ」の顔・・・

コンビニに入ってもその悪夢は続いた。

コンビニで雑誌を立ち読みする猫背の若い男。
弁当を物色する腹の出た中年男。

みんな顔が、顔だけが「ヤツ」の顔・・・

オレは・・・

オレは気でも狂ったのかと凄まじい恐怖に襲われながら
にこにこと見慣れた「ヤツ」の笑顔を張り付かせた
小柄なレジの女性からタバコを受け取った。

いったんぐっと目を閉じ覚悟を決めてコンビニのドアを押した。
しかし異常な事態は変わらなかった。

オレはどうしたんだ・・・?

なんで全ての人の顔が「ヤツ」に見える?

道の向こうからこっちに向かって歩いてくる人の
すべてが「ヤツ」の顔で迫ってくる。

あまりに奇怪な得体の知れない光景にオレは総毛立ち
オレは思わず叫んだ・・・・・・・・・・・・・・!


(はっ・・・)


・・・ん? なんだ・・・ここ オレの部屋・・・?

気がついたとき見えたものは見慣れた自室の天井。

なんだ・・・

夢だったのか・・・

ひっでー悪夢・・・

ほっとすると同時に身体に違和感を覚え俺は身じろいだ。
身体が動かせない。
金縛りか・・・?
実験が何日も続いて寝不足になって、疲れているのに
神経ばかり高ぶってくるとそういうこともあるが
今のこの感じは違う。

重い・・・

胸から下半身にかけてぴっしりと重ねられた生暖かい物体が
オレから自由を奪ってる。

どけ・・・! くそっ・・・

腕も脚も麻痺したようにじんじん疼き、全身を気だるさが支配していた。
オレは悪態をついて渾身の力を込めて
その忌々しい物体を押し除けようとした。

「いてっ! ひどーいセンパイ! なにするんですかー?
 いい気持ちで寝てたのにー もうー いきなりー」

派手に吠え立てて床に転がった物体はその場に胡坐をかいた。

「うっさい!
 いつまでもオレの上に乗っかってんじゃねーよ!
 終わったらさっさと自分の部屋に・・・」

悪たれたヤツの顔を睨んだオレは
ヤツの顔の横に、同じ顔が二つ
はり付いていることに気づいて戦慄した。

こぶしで激しく瞼をこすり息を吐いて
サイドテーブルに置いてあるはずのメガネを探ると
もう一度慎重に目をこらした。

(な、なんだ・・・写真か・・・)

三次元のヤツの顔の後ろの壁に、同じサイズに引き伸ばされた
ヤツの写真が二枚も貼ってあった。

(え・・・ ちょっと待て・・・!)

ほっと肩を下ろし、同時にまたうそ寒さを感じて
オレは自分の部屋を見回した。

壁という壁にヤツの写真が貼ってある。

「なんだ・・・これは・・・」

「よく撮れてるでしょう?
 お気に入りの俺の写真ですよ」

「・・・だから?」

「ほら 明日から三日間
 俺、留守にするって言ったじゃないですか
 その間センパイが寂しくないようにって」

「・・・はがせ・・・」

「え?」

「え?じゃねーよ! 全部はがせって言ってんだ!」

「でもー センパイの部屋殺風景だし」

「殺風景でいいんだよ! 殺風景が好きなんだから!」

「えー だってー
 寂しくないんですかー 俺いなくて」

「寂しいわけあるかー!
 さっさとはがせって言ってんだ! この!」

「あーーーーー そんな乱暴にー ひどいなー 
 俺の顔真っ二つじゃないですかー」

「ちょっと甘い顔するといい気になりやがって! 
 てめーは・・・!」

「す、すいません すいません!! 
 はがしますって
 ちょっと冗談じゃないですかー」

「冗談じゃねー!!
 こんなことすっからあんなヘンな夢見たんだ!! 
 くそたわけが!!」

「え? 夢?」

「さっさと片付けろ!! 
 てめーの顔なんかもう見たくねー!!」

「ひどいー せんぱーい!!
 俺たちもう恋人同士じゃないですか」

「ふざけたこと言ってんじゃねー!
 鍵かえせ!!」

「いやですー 返しません!
 ぜったい返しませんからねー!」

狭い部屋を逃げ回るヤツの首根っこをひっ捕まえて
オレは容赦なくドアの外に放り出した。

ヤツはドアの前でわーわー泣きわめきはじめた。

サイドテーブルに置き忘れていった真新しい鍵を横目に
オレはもう一度ベッドにもぐりこんだ。

・・・ったくオレらしくもねぇー!

なんで、鍵なんかやっちまったんだ

昨日・・・
ヤツに来たたくさんの小包見て
オレ、頭真っ白になっちまって・・・

オレすっかり忘れてて
ってか・・・なんでオレ、ヤツの誕生日が
7月だって思い込んでたんだろ・・・

いくらオレの頭のアドレス帳が出来損ないでも
こんな長い付き合いの、一緒に暮らしてる相手の
生まれた日くらいちゃんと覚えられねーって・・・

薄情すぎるだろ・・・オレ
かなこだって覚えてたって言うのに

それでつい・・・

オレならもっとヤツの喜べるもの
プレゼントしてやれるのにって
意地になったつーか・・

ちくしょうー!

らしくねぇー!!
何やってんだ オレ

カナダ行ってからおかしいんだ・・・
らしくねーことばっか考えたり、やっちまったり・・・

ヤツの匂いが
あちこち染み付いてるこのシェアルームで
唯一、自分の部屋だけは
自分の匂いだけにしときたかったのに
その部屋にまでヤツの侵入を許しちまって・・・

ああ・・・もう!
全部消してやる!!
オレのアドレス帳からヤツのデータみんな消してやる!!
それで
今度こそゆっくりねむってやる
ヤツのことなんか
なにもかも忘れてぐっすり眠るんだ!!

自分に言い聞かせてオレはぐっと固く目を閉じた。



*****おわり*****



え・・・と変な話ですいません;;^^)

実は今日昼ごろ
ブログ管理者ページで
不気味な異変が起きていたのです。
訪問者リストが
全部同じブログ名、名前で
埋め尽くされていたのです。
訪問者だけではなく
自分のブログ名と名前まで
それに置き換わっていました。
ブログ自体に異状はないのです。
あくまで管理者ページでの異常。

見た途端ぞっとしました。
なにか悪意のあるものに
自分のブログが犯されてしまったような恐怖。
まさに道行く人が皆同じ顔をして
自分に向かって迫ってくるような
恐ろしさと気味悪さ・・・

おもわず訪問者リストを
全部削除しそうになったのですが
待てよ・・・慌てるなと気を落ち着けて
FC2のユーザーフォーラムにアクセスしたら
ユーザーフォーラムに質問しているユーザー名まで同じ名前・・・

これは私のブログだけでなく
FC2全体に及んでる異常事態だと思い
しばらくフォーラムを見守っていました。
そしたら同じ不具合に不安を感じたユーザーからの質問が
立て続けに投稿され(投稿するユーザー名も同じ名前なんですが)
私だけでないと知るとちょっと安心しました。

しばらくするとFC2からの障害情報も寄せられ
これは不正アクセスではなく単なるバグによるもので
今まさに修復中との回答。
やっと平常心に戻って出かけることが出来ました。
帰宅後確認するとすでに正常に戻ってました。

(でもまだなんかサイドバーのバナーがヘン;; 妙に重いし~。)
(先生のブログも同じみたい。FC2の他のとこも・・・)

それにしても・・・
同じ名前だけが訪問者リストに並ぶ恐怖・・・
言いようの無い気味悪さでした。

そして思ったのです。

もし私が小説家かマンガ家なら
これをネタに話を作るんだろな
・・・と
別にプロじゃなくたって
思いついたら書けばいいことですよね。

・・・で書いてみたってわけです。

一応シチュとしては
バレンタインSSの翌早朝ってことで

だったらいったいいつ
森永君は写真を貼ったの?という
細かいことはお気になさらず・・・;;^^)

最後まで読んでくださってありがとうございました♪♪♪



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