ある日、森の中(恋する暴君)に 迷い込んだ、哀れなウサギさんの萌叫び・・・
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「同性愛」という言葉を初めて知ったのは?・・・その3
トーマの心臓 2 (2) (フラワーコミックス)トーマの心臓 2 (2) (フラワーコミックス)
(1975/04)
萩尾 望都

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懐かしい~~~!!

・・・と思われた方・・・(お仲間ね★)


なんで「2巻」なの?・・・と思われた方・・・

・・・「2巻」を「1巻」より先に読んだんです~~~(;^^)

それに3巻のうちで、この2巻のカバーイラストが一番好きなのです。


  アップで描かれているのが・・・・・「エーリク」
  真ん中の横顔の少年が・・・・・・・「オスカー」
  黒髪の生真面目そうな少年が・・「ユーリ」


最初に断っておきますが・・・

これはBLではありません。


少年同士の「愛」が描かれているけど

その愛は恋愛(エロス)じゃない・・・

友情でもない


人類の罪を全て背負って、イエスが十字架に掛けられた様に

たった一人の友人の魂を救うため、自らの命を天に捧げた

「トーマ」という少年が遺した、魂の「赦し」の物語・・・










今、本箱から発掘してきたのですが・・・

・・・めちゃめちゃ黄ばんでる~~~(ショック!!)
ページが取れてるし、1巻は背がざっくりはがれてるし・・・
触るのが怖い・・・



「ポーの一族」で萩尾作品に出会い、他の作品も読みたくて

「トーマ」を買いに行ったのですが「2巻」しかなかったんです。

当然、ストーリーわかんないです。
想像して読んでました。


萩尾マニアの友人に本を借りればいいと思うでしょ?
でも、ポーを読むまで、彼女の話を適当に聞いてた手前
今更貸してとは・・・言い辛かったわけですよ~~(;^^)



・・・本を買うと、奥付に購入日をメモしておく習慣はこの頃からなんですが
今、見たら・・・

「2巻」4月2日
「1巻」4月10日・・・とメモってありました。

「1巻」読みたい~~~~とかなり喚いてた記憶があるけど
8日間だったんですね~~~他人事のように~~~




さて・・・(ここからが本題)・・・「その2」も前置きだったと・・・


生まれて初めて見た・・・(マンガでだがな)



 少年同士のキスシーン 


これだ・・・!!
あの時、読んだの、これだったんだ~~~~!!


・・・何年か前の授業中・・・
思考停止に陥った、あの絵が・・・あのシーンが・・・
忘れていた記憶が・・・


1巻、42ページ(この頃のマンガはタチキリ少ないので何ページかすぐわかる)



・・オスカーがアンテにキスするシーン・・・・


・・・残念なことに、このキスには「愛」はない・・・
牽制する意味のキスで「友情」からのものでも
ましてや「愛」でも「エロス」でもない・・・




でも・・・

この作品に描かれている少年たちは

「男」じゃない・・・

「性」を感じない・・・

感じたら、むしろこの作品世界は崩壊するだろう・・・

「少年」・・・という「男」でも「女」でも「大人」でも「子供」でもない・・・

危うい存在・・・の彼らが紡ぎだす物語だからこそ・・・

これだけの透明感、精神性を描くことが出来たのだと思う。


・・・というより・・・

「神的な愛」を描くのに「少年」が

「少年」という性的に未分化な存在が必要だったのかもしれない・・・

少女マンガなんだから、少女同士でもいいのではないかと思うが
作者が「女性」なので、「少女」では生々しすぎる・・・
思春期の少女から「性」を切り離すのは不可能です。


思春期の少年から「性」を切り離すのも不可能ですが
女性作家だから、それが出来た・・・



だから、女性側として「未知な存在」・・・である「少年」のほうが
作者にとっても描きやすく、読者にとっても受け入れやすい
「精神」を象徴するには相応しい存在だったんでしょう。


(単に、魅力的な男の子同士が描きたかったってだけかもしれませんが・・・
そんなきっかけならBLを描くきっかけとかわりませんが・・・(*^^)
 そのへんは作者に聞かないと・・・)



女の子って・・・生まれたときから「女」だよね?!
幼い頃から「媚びる」ことを知ってる
「愛されたい」「守られたい」・・・
そういう「女」としての欲望を幼いながら知ってる。


でも、男の子って・・・生まれたときは「男」じゃない・・・気がする・・・
「攻撃」することは知ってても
「愛する」ことを知らない・・・

女の子に対する興味が「男」としての「愛」と気づかず
気になる女の子を苛めてしまったり・・・泣かせてしまったり・・・
無理矢理抱きついたり、執拗に追い掛け回して、嫌われたり・・・

男の子が
人を愛し守れる「男」になるには、時間と経験と教育が必要なんだと思う。
男の子が年を取っただけじゃ「男」にはなれないんだ。


「トーマ・・・」のラスト・・・
ギムナジウムを去っていくユーリとの別れを惜しみ
自分も学校をやめると泣くエーリクに
一つ年嵩の少年、オスカーの台詞にもある・・・

「きみはもっと勉強しなきゃだめだよ・・・
 ねぇ・・・ ル・ベベ」



エーリクは「ル・ベベ(赤ちゃん)」と呼ばれるくらいの超マザコンな少年
彼の母親が死に、ユーリに「恋」を意識した時・・・
彼は「赤ん坊」から「少年」になり・・・
ユーリとの別れが、彼の少年期の終末を予感させる・・・
しみじみと、切ないけど
彼らの輝かしい「未来」を感じる、信じられる素晴らしいラストシーンです。



当時は「え・・? これでラスト??」・・・と物足りなく思ってたんです。
でも、今読むと・・・
このラストがしっくりくる・・・


ここを今、読んでくださってる方で
少女の頃読んだまま、コミックスを仕舞いっ放しにしてる方がいたら
大人になった今
今一度、読んでみてください。
違ったものが見えてくるかもしれませんよ!!




「トーマ・・・」の少年達の中で、唯一「男」を感じる・・・としたら

オスカーという長身の、複雑な出生を負っていながら(負っているからこそ)
飄々とした、それでいてどこか憂いのある目をした年嵩の少年・・・
(ワタクシ、オスカーが一番お気に入りだったんです・・・(*^^)

オスカーはもうすっかり変声期も終えているだろう・・・
ユーリ、エーリクにとって兄貴的存在で
ユーリの苦しみ、閉ざされた心を知り、知りながら何も言わず
ユーリを愛情深く見守っていました。

オスカー、一人が成熟した「男」の「愛」に目覚めているわけです。
それでも、オスカーもまだ少年期を完全には脱してはおらず

ユーリが神学校に行くために、ギムナジウムを去った瞬間から
ユーリ、エーリク、オスカー・・・
彼らの、人としての「大人の男」となるための成熟の物語が始まるわけです。


その・・・彼ら、それぞれの「愛」の物語は、読者に託され

若葉がキラキラと光を放つ、清らかな季節のままで、作品は終わります。




だから・・・
「トーマ・・・」に登場する少年達を
BLに出てくる少年達と同じように考えてはいけないんです。

兄さんや森永君が持っているもの・・・
ブラック森永君がたびたび「使うもの」を
「トーマ・・・」の少年達に求めてはいけません。
想像も妄想もご法度ですよ!!

想像も妄想も出来ないって・・・
「トーマ・・・」を読んだら、そんな自分が恥ずかしくなるから・・・








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         ↑ 最終巻・・・
           
     「小夜の縫うゆかた」
     「秋の旅」
     「白い鳥になった少女」
     「みつくにの娘」

     4作の短編が載っているのですが
     どれも初期の萩尾作品のレベルの高さを物語る
     素晴らしいものです。

     私は特に
     「小夜の縫うゆかた」が大好きなのですが・・・

     小夜という女の子が、学校の宿題のゆかたを縫いながら
     ゆかたにまつわる思い出を辿っているだけの話なのです。
     たった16ページです。
     なのに・・・読んだ後の充実感が、1冊のコミックスを読んだ以上にあるんですよ★
     たった16ページに、人の生と死・・・
     少女が「女の子」から「女性」に成長していく・・・
     その過程が、さりげなく巧みに描かれているからです。
     
     「秋の旅」は「トーマ・・・」と同じ、14歳の少年が主人公です・・・
     
      「吉田秋生」さんの記事の中でも書いたのですが      
      少年期の終わり・・・を女性マンガ家が描く・・・
      当時、そういう少女マンガが多かった気がします。

      そして、そういうマンガをリアルタイムで読めた・・・ってこと・・・
      幸せなことだったのかも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・












     
 











コメント
この記事へのコメント
ぐらたんさま☆引続きすばらしいレビュー!ありがとうございます!
私もオスカーが一等お気に入りでした(^_^)
2年ほど前、スタジオライフの上演を観て来ました。やじ馬的に行ったんですが思いの他良かったです。脚本が本筋のテーマをよく理解されてて。男性ばかりの劇団なのですが、オスカー役が一番イケメンの日を選んで観て来ました(^_^;)
もちろん原作以上のものはありませんが、この作品がいまでも色あせず輝いていることが嬉しかったです。
ポーにトーマ…この頃の望都さんの絵は本当に美しかったですね…
2008/05/03(土) 18:08:36 | URL | 三日月 #-[ 編集]
演劇見に行かれたんですね~★
うわさには聞いていましたが、行った事ないので
羨ましいです!!
やっぱり、オスカーですよね★
名わき役!!いや、影の主人公だったかも・・・
この記事書くために、ひさびさに「トーマ」を
読んで、若い頃とは違った感動とか理解とか
出来て楽しかったです。
またコメント下さいね~~(^^)
2008/05/03(土) 22:27:19 | URL | ぐらたん #Neb3My6c[ 編集]
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